コチニールという色素をご存じだろうか、エンジムシとも呼ばれるコチニールカイガラムシから抽出された天然の色素です。
絵具や染物の染料としても利用されている他に、口紅、アイシャドウ、チークなどの化粧品、食品にもコチニール色素は使用されています。
今回は、そんなコチニールカイガラムシ自体の生態やそこから抽出される色素が現在も食品に使われているのかを調査してまとめてみました。
そもそもコチニールカイガラムシとは?どうやって色素を抽出?
コチニールカイガラムシは、中南米原産の昆虫で、サボテンに寄生して細い口吻(こうふん)をブスッとさして栄養素や樹液を吸っています。
コチニールカイガラムシは体液にカルミン酸を多く含み、これが昔から染料の原料として重宝されてきていて、メキシコやペルーではウチワサボテンに寄生したコチニールカイガラムシを繁殖させ養殖しています。
色の抽出方法についてまとめました。
- コチニール虫を集めて箱に入れる
- 5~6分間揺さぶって弱らせて殺す(熱湯や加熱する場合もあり)
- 2~3日間天日干しして乾燥後に不純物を除去
- 水やエタノールでカルミンさんを抽出して精製する
揺さぶって弱らせるって凄いですね、、、
ちなみに、カイガラムシの仲間は400種類以上存在していて、日本でも多くの種類が存在していて、庭の観葉植物などに寄生するので、普通に見たことがある方も多いはずです。
この、コチニールから抽出された色素は現在でも食品や化粧品に使われているそうです。
コチニール色素は現在でも食品に使われているの?スーパーやコンビニをチェック!
現在でもコチニール色素が食品に使用されているのか気になったので、スーパーやコンビニをチェックしてみました。
ミートソースやコーラなど赤い色味の食品のラベル(原材料)をチェックしてみましたが、コチニール色素を含む食べ物は中々発見できなかったです。
赤色の食品によく使用されていた着色料はこちらです。
- ベニコウジ色素
- カラメル
- パプリカ
- カルチノイド
ただ、その後も探してみると『ハム』と『ベーコン』のラベルで発見しました!!
こんな感じでコチニール色素としっかり表記されていましたね。
現在でも、食品に使われていましたよ。
また、かまぼこには『ラッカ』と記載されていたのですが、これは『ラックカイガラムシ』というカイガラムシから抽出された成分のようです。
もっと沢山ありそうだなと思っていたのですが、意外に少なくて驚きました。
コチニール色素でアナフィラキシー?
2012年に消費者庁から『コチニールによるアレルギー反応(アナフィラキシーショック)』への注意喚起がされました。
内容としては、1960年代からコチニール色素が原因と思われるアナフィラキシー反応の事例についての論文が20ほど報告されたというものでした。
ちなみに、アレルギーの原因物質はコチニールカイガラムシが産生するCC38Kというたんぱく質なんだとか。
アナフィラキシー症状というとスズメバチの毒が有名で、最悪の場合、呼吸困難など重篤な状態になる可能性もある怖い症状です。
それもあってか、この話題以降コチニール色素に対しての不信感が高まり、清涼飲料水「ファンタグレープ」や「ファイブミニ」では、実際にコチニール色素を他の原材料に変更しています。
ただし、大分大学医学部のサイトによると、コチニール色素でアレルギー反応が出た方の多くが、以前にコチニール色素を含んだ化粧品で皮膚炎を生じた経験があり、コレが原因なのではと推察されるそうです。
食品の場合は、たまに口にする程度ですが、化粧品は毎日使いますからね、、、
少量食べるぐらいなら大丈夫そうですが、心配な方は、コチニール色素が含まれている食品や化粧品は避けましょう。
【まとめ】コチニール色素は現在も食品に使われている?スーパーやコンビニをチェック!
今回は、コチニール色素が現在でも食品に使われていて、実際にスーパーやコンビニなどで販売されているのかを調べてみました。
- コチニール色素の原料は昆虫
- 現在でもハムやベーコンに使われていた
- アレルギー反応の注意喚起が出ていた成分
コチニール色素は昔から有効活用されてきた染料です。
そもそも、虫から作った染料づくりは、太古の昔から行っていて、歴史を振り返ってみても、いつ頃始めたのか分からない位古くから親しまれてきたそうです。
魚や野菜、家畜ならわかりますが、昔から昆虫が養殖が行われていたという事実にもビックリしました。
これからも、コチニールを上手に活用していきたいですね。