川の水は飲めるの?湧き水や沢の水は?危険性を解説

キャンプやハイキングなどで綺麗な川の水、湧き水、沢の水を見るとついつい飲んでみたくなってしまいますよね。

実際に飲んでみると冷たくて美味しいのですが、、

ふと、疑問に思うのが自然の川の水はガブガブ飲んで問題ないのでしょうか?

川や湧き水、沢の水は普通に飲めるのでしょうか?川の水を飲んだ時の危険性や安全に飲む方法などを調べて紹介しています。

川の水を飲んではいけない理由とは

川の水のイメージ

例え、清流と言われる綺麗な源水であっても川の水はそのまま飲んではいけないと言われています。

その理由としては、寄生虫や病原菌など感染症のリスクがあるからです。

ただ、これらに感染したり被害を受けるのは稀なケースですが、稀だからといってリスクがないとは言えないので飲まない方が良いでしょう。

寄生虫や細菌類の一例を下記に挙げてみました。

寄生虫
  • エキノコックス
  • ジアルジア
  • クリプトスポリジウム
細菌
  • カンピロバクター
  • ピロリ菌
  • 赤痢菌

エキノコックス

エキノコックスは皆ご存じサナダムシの仲間で、キツネや犬の腸内に寄生して、卵を生み便と一緒に川などに流されます。

それを人間が口にすると人間にも寄生してエキノコックス症となってしまうのです。

キタキツネの生息地である北海道が圧倒的に感染者数が多いですが、青森、知床半島でも生息が確認されています。

人間がエキノコックス症にかかると、肝臓に感染するのですが、潜伏期間が長く10~20年経過してから肝障害が出て自覚するので、気づいた時には進行しています。

また、エキノコックスの恐ろしい点としては、現在の所、有効な治療薬が無いので、肝臓の部分切除をして感染した部位を取り除くのが一般的な治療方法だそうです。

ジアルジア

ジアルジア症とは、消化器官に寄生するランブル鞭毛虫が引き起こす感染症で、日本でも戦後に沢山の感染者がいましたが、衛生面が向上した現代では数は激減しているものの、未だに確認されています。

主な症状としては下痢や腹痛で、他にも悪心、鼓脹、嘔吐、体重減少などがあげられます。

ランブル鞭毛虫は、動物の糞(大便)に嚢子の状態で残るので、湧き水や川などに流れれば人間の口に入る心配もあります。

また、動物などを触った後は石鹸やハンドソープなどでしっかり手を洗うようにしましょう。

クリプトスポリジウム

牛、豚、ネズミだけじゃなく、ペットとして飼われている犬や猫にも感染する寄生虫です。

感染すると、2~10日の潜伏期間の後に、ジアルジア症同様に下痢(水溶性)、腹痛、嘔吐、発熱などの症状が出て、感染者の糞便からはオーシスト(卵のようなもの)が検出されます。

ただ、通常は1~2週間で自然に症状は快方に向かう方も多いです。

野生の動物の糞尿にも含まれるので、川の水に含まれるのは勿論、塩素にも強いので浄水場で無力化しにくく、過去にはアメリカで40万人以上が感染する事件も起きています。

カンピロバクター

カンピロバクターは食中毒の原因になる病原菌としても有名です。牛、豚、鶏、犬、猫、ハトなどの動物の消化器官にいるので糞便と一緒に排出されて、川などの生水に入り込む可能性があるのです。

カンピロバクターの症状としては下痢、腹痛などで、他にも発熱、筋肉痛、倦怠感などが出るケースもあります。潜伏期間は2日〜7日と多少のタイムラグがあります。

カンピロバクターは、加熱処理をする事で無力化できます。

ピロリ菌

胃がんの要因の一つピロリ菌は土壌にいる菌なので、井戸水や川の水に含まれている可能性があります。

ピロリ菌は胃酸にも強く胃の中でも生活でき、また、胃液や胃酸の分泌量を徐々に減らすので、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどのリスクが上がってしまいます。

ただ、ピロリ菌に感染しやすいのは免疫力が出来上がっていない5歳ぐらいまでの子供で、大人が感染するのは稀なケースのようです。

赤痢菌

赤痢菌は水だけじゃなく、食品や器物の接触などでも広がり、経口感染すると急性腸炎を引き起こし、下痢や腹痛、発熱、嘔吐などの症状が現れます。

戦後の日本では10万人以上が罹患し、2万人近くの死者数を出したそうです。

赤痢菌は感染力が強いのが特徴で爆発的な感染力で、衛生的になった現代でも集団感染などを引き起こす可能性があるので注意が必要です。

川の水を比較的安全に飲むためには

水が入ったペットボトル

人間は食べ物を食べなくても1ヶ月ほど生きられるそうですが、水を飲まないと数日で死んでしまいます。

それほど、人間のカラダにとって水分は大切です。

サバイバルや遭難など、どうしても川の水を飲まないといけないシチュエーションの時はどうすれば良いのでしょうか?

川の水を飲むうえで最低限やって欲しい2つを挙げてみました。

  • 川の水を濾過する
  • 川の水を煮沸する

川の水の濾過をする

川の水には様々な不純物が含まれています。近年では、アウトドアやキャンプブームもあり、沢山の携帯タイプの濾過器や浄水器が販売されています。

中にはエキノコックスなどの寄生虫や寄生虫の虫卵を濾過し除去できる商品もあります。

ただ、温泉成分や微細なウイルスなど、濾過できないものもあるので、元々、飲める水をより安全に飲むという活用方法が正しい使い方でしょう。

川の水を煮沸する

川の水に潜んでいる寄生虫や細菌類は65~90 ℃のお湯で死滅するので、100℃の沸騰したお湯で1分ほど煮立たせるのがオススメです。

ただし、煮沸で菌は死にますが、藻や砂などのゴミや化学物質、金属類などの不純物が含まれている場合は煮沸では取り除く事はできません。

完全に安全というわけではないですが、有名な飲料水用の湧き水スポットなど、ある程度水質が綺麗な事が分かっている水は煮沸のみで飲んでも問題ないでしょう。

【まとめ】川の水は飲めるの?湧き水や沢の水は?危険性を解説

今回は、川の水が飲めるのか、危険性はないのかを調べて紹介していきました。

川の水には、寄生虫やウイルス、有害物質など、様々な危険性があります。そのため、汲んだ水をそのまま、飲むのはやめた方がいいでしょう。

水は人間が生命を維持していく中でとっても大切なものです。

どうしても、川の水を飲まなくてはいけない状況になったら、まずは飲めるぐらい綺麗な川を探して、濾過や煮沸などでちょっとでも安全性を高めましょう。